2012年3月24日土曜日

マーブルランサー死す

マーブルランサー(ナマズ目ギギ科)
 Bagroides melapterus
この写真を撮ったのが2008年頃。
ちゃんと記録に残してないので判然としないが、
2005年までのつくば時代に購入した個体なのは間違いなく覚えている。
つまり7年くらいは生きてくれたわけです。
今いる中では最も古株のメンバーでした。

これでつくば時代からの生き残りは、
マーブルグラニディウム、ブルドックキャットブルータティア、ボティア・ヒストリオニカ、
シノドンティス・フラヴィタエニアトゥス(2代目)、ってとこか
皆さん頑張っていただきたい。頑張るのは俺か。

ちなみに自分が今まで飼育した中で一番長く生きてくれた魚は、
シノドンティス・フラヴィタエニアトゥス(初代)です。
中学3年の時のお年玉で購入し、30才過ぎるまで生きてました。
正直、この魚を死なせてしまったショックからはいまだに立ち直れてません。
自分の人生の半分以上の時間を共にしているナマズ、
というのは俺の飼育人生の中で一つの誇りでした。
シノドンティスは20年以上の飼育例があると聞いていたので、
まだまだいける、むしろ記録更新くらいに思っていたので…。

閑話休題。
マーブルランサーは長いこと自分のあこがれの魚でした。
その割にはマトモに撮れた写真はこれ一枚。
あまり物怖じしない個体でしたが、常に動きまわってるので写真が撮りにくかった。
最初から12cmくらいのサイズで、最後までほとんど成長は見られず。
最大30cmくらいにはなるはずなんですが。
餌は人工飼料もよく食べるし、冷凍赤虫も大好物でした。

この魚に関しては、雑誌「アクアライフ」の小特集の記事がバイブルでした。
攻撃的な種の多い印象があるギギ科ですが、
逆に意外なほど繊細な魚もいて、
本種も「同種間では攻撃的だけど打たれ弱い」という記事でした。
そこで俺はこの魚を多種のナマズの雑居水槽に入れるのを避け、
ボティア・ヒストリオニカを中心としたドジョウ水槽(60×45×45cm)に入れてました。
それが、つい最近までは問題なく飼育できていた一因だったと思います。

ドジョウ類に対しては攻撃することもされることもなく、
静かな泳ぎ方なので、倍以上の大きな図体でも威圧することもなく。
ここ3年ほどは同じギギ科のベトナムブラックラインミストゥス3匹も同居してましたが、
これらは体長5cmほどで、マーブルランサーとの衝突は全く見られませんでした。

おそらくマーブルランサーが攻撃的になるのは同種間のみ、
または近縁のブラックランサーとは上手くいかないのではないかと見ています。
ブラックランサーも大好きな魚なのでいつか飼いたかったのですが、
その懸念があったので、たまに売ってるのを見かけても購入に踏み切れませんでした。
この手の打たれ弱いナマズは本当に水槽環境に気を使うのです。

ではなぜ駄目になってしまったかというと、
ドジョウ水槽から取り出してナマズ雑居水槽(90×45×45cm)に投入してしまったから、でしょう。
他に理由が考えられません。
ここにはギギ科のナマズが5種もいるんですが、
そのうちインドワンラインミストゥスが最近やけに気が荒くなってきて、
他のミストゥス類やアフリカンナイフを追い回す動きが観察されてました。
ワンスポットバタシオキャットも同様の動きがときどき見られ、
この2匹は「うるさいナマズ水槽」(90×45×36cm)に移すしかないかな~。
でもバタシオも「打たれ弱い」系だからな~、としばし迷ってしまっていたのです。
この迷ってる時間がマーブルランサーにとっては致命的だったと思われます。
おそらくはギギ科の魚の種類と数が多すぎたのも問題だった。
この水槽のほかのメンツは全くケンカのない南米産のアウケニプテルス科と、
近縁種のみで緊張感の走るアフリカ産のシノドンティスが中心で、
おそらく彼らだけの水槽ならマーブルランサーもやっていけたのだと思います。

ベトナムブラックラインとの混泳がうまくいったので、
自分より小さいサイズならギギ科でも大丈夫だろうと思ったのが失敗でした。
気づいた時には鰓蓋の後方あたりの皮膚が溶けて肉が露出してました。
ナマズは薬に弱いので薬浴させるわけにもいかず、
「おとなしいナマズ水槽」(45cm)に移し、様子を見るも、
一週間ほどで症状が悪化し、傷口にワタが発生した状態で死亡。
同様の症状がみられたベトナムブラックラインも一緒に移したのですが、
こちらは回復した模様です。

また今度詳しく書こうと思いますが、今部屋の模様替えでてんやわんやでして、
水槽の場所を移動させたり、ドサクサに紛れてちらほら死人が出ている模様です。
とにかくギギ科の混泳は難しい。
他にも色々と困った症例を報告する用意があります(sp.cf.グリオなど)。
じゃあ飼うなよって話なんですが、魅力的な魚が多いんですね、これが。
東南アジアのギギ科(アフリカにもいるけど)。
アフリカのモコクス科(シノドンティスのことね)。
南米のアウケニプテルス科(こいつらが一番温厚)。
この3本柱が俺のナマズ道の中心路線であります。